
音楽を再生したとき、スピーカーから「ビリビリ」「バリバリ」「ガサガサ」といった異音が聞こえることがあります。 低音が鳴る場面だけで発生する場合もあれば、音量を上げたときに目立つ場合もあります。
このような異音は、スピーカーエッジの破れや剥がれによって発生することがあります。 ただし、サランネット、設置台、接続ケーブル、アンプ、ボイスコイルなど、エッジ以外が原因になるケースもあります。
本記事では、スピーカーからビリビリ音がする主な原因と、エッジ劣化による異音を見分けるための確認方法を解説します。
ビリビリ音はエッジの劣化が原因?
発生する音域、音量、左右差、外観を順番に確認すると、原因を切り分けやすくなります。
スピーカーエッジは、振動板の外周を支えながら、コーン紙が前後へ動くための柔軟性を確保する部品です。 エッジに穴や剥がれがあると、振動板を均等に支えられず、特定の音程や音量で不要な振動が発生することがあります。
特にウーファーは低音を再生する際に大きく動きます。 そのため、普段の会話や小さな音では異常を感じなくても、ベースやドラムが入ったときだけビリビリ音が聞こえる場合があります。
音源を再生していない状態でも一定のノイズが続く場合は、ケーブルやアンプなどの接続系統も確認します。
スピーカーから異音がする主な原因
ビリビリ音の原因は、スピーカーユニット本体だけとは限りません。 最初から分解せず、外側から確認できる部分から順番に切り分けることが大切です。
エッジの破れ・剥がれ
エッジの一部が破れていたり、コーン紙やフレームから剥がれていたりすると、振動時に異音が出ることがあります。
サランネットの振動
ネットの枠、留め具、エンブレムなどが緩み、低音に合わせて振動している場合があります。
設置台や周辺物の共振
スピーカー本体ではなく、棚、テレビ台、小物、ガラス扉などが低音に反応していることがあります。
ユニット固定部の緩み
ユニットや端子板などの固定部が緩んでいると、振動に合わせて機械的な音が出る可能性があります。
ボイスコイルの擦れ
振動板の位置ずれや内部の変形により、ボイスコイルが磁気回路内で擦れている場合があります。
コーン紙やセンターキャップの損傷
コーン紙の亀裂、センターキャップの剥がれ、過去の補修部分などが振動して異音になることがあります。
ケーブルや接続端子の接触不良
ケーブルの断線、端子の緩み、酸化などによって、バリバリとした電気的なノイズが出る場合があります。
アンプや音源側の不具合
アンプ、プレーヤー、入力機器などの不具合が、スピーカーの異音として聞こえる場合があります。
エッジ劣化による異音の見分け方
エッジが原因の場合と、それ以外が原因の場合では、音の出方や外観に違いが見られることがあります。 以下はあくまで一般的な傾向であり、実際には複数の不具合が重なっている場合もあります。
低音や大きな振幅で目立つ
- ベースやドラムで異音が出る
- 音量を上げると症状が強くなる
- エッジに亀裂や欠損が見える
- エッジが接着面から剥がれている
- 左右でエッジの状態が異なる
- 低音が弱く感じられる
音源や接続で症状が変わる
- 音を再生していなくてもノイズが出る
- ケーブルを動かすと音が変わる
- 左右の接続を替えると症状も移動する
- サランネットを外すと収まる
- 棚や小物を押さえると収まる
- 特定の入力機器だけで発生する
低音だけでビリビリ音が出る
低い音ほどウーファーの振幅は大きくなります。 エッジが破れていたり、接着面から浮いていたりすると、低音が入った瞬間だけ不要な振動音が発生することがあります。
ただし、低音によってサランネットや棚が共振している場合もあります。 音がウーファー付近から聞こえるように感じても、実際には周辺物が原因というケースもあります。
片側だけ異音が出る
左右同じスピーカーのうち片側だけで異音が出る場合は、左右を比較すると原因を絞りやすくなります。 エッジのひび割れ、剥がれ、硬さ、コーン紙の状態に差がないか目視で確認します。
ただし、スピーカー本体ではなく、アンプの片チャンネルやケーブルに問題がある可能性もあります。 左右の接続を入れ替える場合は、必ずアンプの電源を切ってから行ってください。
自宅で安全に確認する手順
異音が発生したときは、いきなりスピーカーを分解したり、大きな音を出したりせず、簡単に確認できる部分から順番に調べます。
音量を下げる
まずアンプの音量を下げます。異音が大きい状態で再生を続けると、損傷が広がる可能性があります。
別の音源でも確認する
特定の曲や録音に含まれるノイズではないか、普段聞き慣れた別の音源を小さな音量で再生します。
サランネットと周辺物を確認する
取り外せるタイプはサランネットを外し、棚や小物、ガラス扉などが振動していないか確認します。
明るい場所でエッジを見る
音を止めた状態で、エッジのひび割れ、穴、剥がれ、変形がないか目視します。
左右の状態を比較する
同じモデルが左右にある場合は、エッジやコーン紙の状態、異音が出る音量を比較します。
電源を切って接続を確認する
アンプの電源を切り、スピーカーケーブルや端子に緩み、抜け、芯線同士の接触がないか確認します。
振動しているユニットへ手を触れると、コーン紙やエッジを傷める可能性があります。 エッジの状態確認は、必ず音を止め、アンプの電源を切ってから行ってください。
音の種類から考えられる原因
異音の表現には個人差がありますが、どのような条件で、どのような音が出るのかを記録しておくと、修理相談時の判断材料になります。
再現条件と音の記録があると、常に症状が出ない場合でも状況を伝えやすくなります。
音出しを止めた方がよい症状
小さな異音であっても、内部で部品が擦れている場合や、エッジが振動板を支えられなくなっている場合があります。 次のような症状が見られる場合は、無理に再生を続けないでください。
- エッジが広い範囲で崩れている
- コーン紙が傾いて見える
- 音量を下げても大きな擦れ音が出る
- 異音が短期間で強くなっている
- コーン紙に亀裂や変形がある
- 焦げたようなにおいがする
- 音が途切れたり急に小さくなったりする
- ユニットがフレームから浮いている
症状を確認するために何度も音量を上げると、エッジ以外の部分まで損傷する可能性があります。 小さな音量でも症状が確認できたら再生を止め、状態が分かる写真と録音を残してください。
エッジ交換だけで直らない場合もある
エッジに劣化が見つかっても、異音の原因がエッジだけとは限りません。 長期間エッジが崩れた状態で使用していた場合、振動板の位置が不安定になり、別の部分へ負担がかかっている可能性があります。
また、過去に接着剤や補修材で応急処置されている場合は、その補修部分が異音の原因になることもあります。 エッジ交換前には、コーン紙、センターキャップ、ボイスコイルの擦れ、端子なども確認します。
接着剤によってエッジの一部だけが硬くなると、振動板の動きが不均一になる可能性があります。 接着剤がコーン紙やフレームへ広がると、その後の除去作業が難しくなる場合もあります。
修理相談時に用意したい情報
異音の原因が分からない場合は、メーカー・型番・症状が分かる情報をお送りください。 スピーカーを発送する前に写真を確認することで、対応可否や概算料金をご案内しやすくなります。
- スピーカー全体の写真
- 前面から見たユニットの写真
- エッジ部分の拡大写真
- 背面ラベルと型番の写真
- 異音が出る側とユニットの位置
- 異音が出る音量や音域
- 症状が分かる録音や動画
- 過去の修理・補修歴
交換部材の入手状況やユニットの状態によっては、対応できないモデルがあります。 必ず事前にメーカー・型番・写真をお送りください。
まとめ|ビリビリ音は外側から順番に切り分ける
スピーカーからビリビリ音が聞こえる場合、エッジの破れや剥がれが原因になっていることがあります。 特に低音や大きな振幅で異音が目立ち、エッジにも亀裂や欠損が見られる場合は、エッジ劣化の可能性があります。
一方で、サランネット、設置台、周辺物、ケーブル、アンプなどが原因になるケースもあります。 すぐに分解せず、音量を下げ、別の音源、周辺物、外観、接続の順で確認することが大切です。
異音が大きい、コーン紙が傾いている、焦げたようなにおいがする場合は、音出しを続けないでください。 メーカー・型番・写真・異音の録音をご用意いただければ、修理できる可能性を確認します。
ビリビリ音の原因が分からない場合も
写真と症状からご相談ください
メーカー・型番・エッジ部分の写真、異音が出る条件を確認し、対応可否と概算料金をご案内します。
持ち込み受付は京都店のみです。必ず事前にご連絡ください。












