音元出版の2大メディア「PHILE WEB」と「季刊 オーディオアクセサリー」の主催でハイエンドオーディオ&アクセサリーショウ2024が2日間にわたって開催され両日ともに賑わいを見せたことと思います。
私は1日目のみ参加させていただきハイエンドのオーディオが奏でる音に魅了され、またそれを支えているアクセサリー類の必要性も感じてきました。
特に心に残ったものを個別の記事にしていこうと今回はその第1弾です。
タイトルにある通り今年の銘機賞にて金賞を受賞した3モデルを一度に試聴しそれぞれの機材の特色を聞き比べしました。
この3モデルは若干ジャンルが異なるためそれぞれ同じメーカーのプレーヤー、アンプを組み合わせての試聴になりました。
まず初めにAccuphaseから試聴となりました。
今回受賞したのはE-800S。こちらに同社のDP-770を組み合わせました。
試聴する3モデルの中で一番安い価格帯のシステムではありましたが、B&Wの802D4を問題なくドライブできるパワーもあり、低音のレスポンスの良さを個人的には高く評価したいと思いました。
続いてmarantzの試聴。
SACD 10とMODEL 10の同時受賞ということでした。
合計400万円超えのシステムでmarantzから超弩級のモデルが出たことにも驚きでしたが、今回この音を聞いて価格にも納得がいきました。
同じデモ音源を聞いても先ほどのAccuphaseに比べ中高域にかけての表現力が素晴らしく、空間表現にさらに奥行きが足されしっかりとした音の余韻を味わうことができます。
制作時、801D4のシグネチャーモデルを完全に鳴らしきることのできる、駆動力のあるアンプを作ると意気込まれて制作されたそうです。
チェロとコントラバスのデュエットでは出だしのコントラバスの小刻みな音もつぶれることなくしっかりと表現できていました。
最後にESOTERICの試聴。
K-01XD SEが今回の授賞作品。
Grandiosoモデルを除いた中でトップモデルのデジタルプレーヤーで、受賞した最大の要因は世代を重ねるごとに音の改善がしっかりされ上位機種に劣らぬ性能を有しているところから。
こちらにF-01のA級動作のアンプを組み合わせて試聴が始まりました。
このシステムは実に全体的のバランスがよく、確立された音に余韻と奥行きが追加され、ふくよかな柔らかい空間表現ができていると感じました。
ソプラノの歌を聞いても1番目立つべき歌が前面にでてその後ろに余韻やゆとりがあり聞いていてとても心地がいい印象です。
静寂感の表現ができているからこそ歌が目立つ。
ソース機器のクオリティがシステム全体に及ぼす影響は計り知れないと感じました。
今回試聴した3セットはすべてプリメインアンプでした。
音質を求めるならセパレートアンプ一択と今まで考えられていたことが覆されているということが今回感じました。
そこにはメーカーの並々ならぬ努力と知恵を出し合い何度も試作を重ねたどり着いた現時点での正解がこういう結果をもたらしたのだと思います。
B&Wの802D4は駆動力が無ければしっかりと鳴らすことができず扱いとしては難しいスピーカーではありますが、3モデルともしっかりと駆動できていましたし、何より目を瞑ればスピーカーの存在がなくなるような完璧なセッティングには脱帽しました。
今回の中ではmarantzがD級動作のアンプを採用していたということで、D級でも突き詰めていけばここまでの音質を可能にできるということを目の当たりにし、今後のオーディオの発展にも目が離せないと感じました。